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手術後のリハビリプロトコール

ACL(前十字靭帯)再建術後リハビリについて(予定表と当院のコンセプト)

【ACL(前十字靭帯)再建術後リハビリ予定表】 

※軟骨損傷が認められ手術中に処置を行った場合は、軟骨損傷の場所や程度、処置の内容により荷重時期やリハビリ内容が 異なり、松葉杖が外せるようになるまで時間がかかることがあります。
※メディカルフィットネスセンターとは当院内のフィットネス部門のことであり、専門的なトレーニングを希望される方にお薦めしております。

【当院のコンセプト】
当院で行っているACL再建術は、半腱様筋腱(ハムストリング)を用いる再建と骨付き膝蓋腱を用いる再建のいずれかであり、術式により術後のリハビリを考慮するようにしています。採取した部分の痛みが出ないように(具体的には、ハムストリングを採取した場合は大腿後面の肉離れ様症状を起こさないように、膝蓋腱を採取した場合は採取部やお皿周囲の膝前方の痛みが出ないように)注意しながらリハビリを進めています。また再建術後8w前後で移植腱が脆弱化すると言われており、リハビリに頻繁に通えない患者様には注意を呼びかけています。
合併損傷の有無やその処置内容によってもリハビリが変わってきますので、当院では、術後何週になったら何を許可するといった考えではなく、その人の個人個人の膝の状態に最も適したリハビリテーションを行うために、常に膝の状態を見ながら、各段階をクリアしてから次の段階にステップアップする方式をとっております。
靭帯や半月板を損傷する人は、膝の使い方が良くなかったり、体幹・股関節・足関節などの他の関節の動きが悪かったり、膝周囲の筋肉が硬かったり等、いろいろなベースとなる原因がある場合がほとんどですので、手術した膝のみではなく身体全体のコンディショニングを行うことが非常に重要であると考えています。再断裂や反対側の膝の損傷を予防するためにもメディカルフィットネスセンターと連携して、受傷前のパフォーマンス以上のものを出せるように、最終的なスポーツ現場復帰までサポートしています。

【各段階のリハビリ目的と内容】
Ⅰ.術後早期
 目的
患部を安静にし、組織回復の促進
 リハビリ内容
術後は患部の炎症が強く、また下肢の循環が悪くなっています。そのため、 患部のアイシングと下腿の循環改善が最優先されます。患部のアイシングには氷嚢で膝を覆うようにしっかりと冷やします(氷嚢とホルダーを使うことにより患部表面の密着が可能となります)。下腿の循環改善には足関節や足指を動かすことが重要となってきます。下腿へのマッサージはもちろんのこと、セラバンドを使用し、足関節を動かすことでふくらはぎの筋肉を動かし循環を改善させます。その他、物理療法と言われる低周波や超音波を使用することで、患部回復を促進させます。
そして、膝への荷重が関節の炎症を増悪させてしまいますので適切な松葉杖の処方を行います(術前にも指導させて頂きます)。術後には、患部への不安感から松葉杖の使い方がわからなくなったり、上手く使えなかったりすることがあります。松葉杖を正しく使用することにより、患部の炎症を最小限にします。
また、術直後は膝関節の炎症や筋肉の緊張により、膝関節を動かしづらくなることがあります。したがって、リハビリでは膝関節の動きを阻害する筋肉や皮膚その他の組織の改善を図っていきます。
 

Ⅱ.術後早期
 目的
膝関節の動きをスムーズにし、自立歩行を獲得
 リハビリ内容
炎症が落ち着いてきたら、日常生活動作の獲得になります。松葉杖を外すことで膝関節への負担が増えますので、松葉杖が外れたからといって歩く量を増やしても良いということではありません。膝関節への負担を軽減していくために、膝関節の関節可動域の拡大と筋力訓練が主体になってきます。筋力訓練といっても体幹、股関節、足関節などの患部外トレーニングと膝関節の動きに重要となってくる膝蓋骨(いわゆるお皿)の動きを改善させる細かい筋肉(大腿四頭筋の内側広筋斜走線維)のトレーニングを主体に行っていきます。また、膝蓋骨の動きが悪ければしっかりと動かせるように膝蓋骨周囲の癒着している部分をはがしてからトレーニングを行っていきます。これを行うことで、よりいっそう筋肉が動くのを実感します。
 

Ⅲ.術後中期
 目的
日常生活に必要な関節可動域(正常可動域)の獲得
 リハビリ内容
松葉杖が外れたら独歩の練習を行っていきます。手術を受けられる方は、以前より歩き方に問題がある方がいます。例えば、猫背のように身体が丸みを帯びていたり、骨盤の上下運動が大きかったり、足の着き方がすったような歩き方、あるいはペタペタするような歩き方になっています。リハビリでは個人個人の問題点を追求し、膝関節への負担を軽減させるための下肢の各関節へのアプローチや歩行指導(歩き方のコツなど)をさせて頂きます。
また、膝関節への負担をかけず(体重をかけないよう)に、徐々に膝関節周囲の筋力改善を図っていきます。(エアロバイク等) 
 

Ⅳ.術後中期
 目的
筋力の改善を図り、歩行の耐久性などの改善
 リハビリ内容
膝関節の耐久性が改善してきたら、膝関節へ負荷をかけて(体重をかけて)筋力の積極的な改善を図っていきます。筋肉は最大筋出力の約60%以上の負荷をかけていかないと筋自体のボリュームなどは改善しないと言われています。
また、ただ膝関節周囲筋への負荷を増大させるだけでは日常生活内、ましてやスポーツ復帰を目指す人達にとっては不十分です。したがって、股関節や足関節、体幹を含めた関節同士の連動性の獲得が必要となってきます。  
この段階では、日常生活(段差や方向転換)、仕事など、膝関節へ負担のかかる動作の改善を行っていきます。
 

Ⅴ.トレーニング期
 目的
各々の競技復帰へ向けた動作の獲得、また再発予防を含めた機能の獲得
 リハビリ内容
各種競技に必要とされる機能の獲得を目指したアクティブなトレーニングを実施していきます。その競技特有の動作の中で問題点がみつかれば、その問題点を解決するためのトレーニングを行っていきます。
競技復帰以降に重要なことといえば、再発予防だと言えます。ただ、膝関節周囲の筋力が改善したからといって再発が防げるとは限りません。各種競技における特有の動作の中で、いかに膝関節への負担を減らしていけるかがポイントとなってきます。どの競技においてもまずはこのようなKBW(膝曲げ歩き)を正しい姿勢で行えることが重要となります。
 

Ⅵ.スポーツ期
 目的
競技復帰後のフォローアップ
 リハビリ内容
復帰直後は軽めの練習から行っていくなど、順序立てたプランに沿って復帰していくことが望ましいと言えます。私たち理学療法士がその都度患部の状態や動作のチェックを行いステップアップのサポート行います。
競技復帰してからも、ブランクなどがあるため「体の感覚」が鈍っていると考えられます。そのため、思ったより動きが悪かったり、疼痛の出現したり、十分なパフォーマンスを発揮できないことがあると思います。その際には再び、問題とされている機能不全を見つけ出し、さらなるアプローチを行い競技復帰へのサポートを行います。
 

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