医療法人社団スポーツメディカム  八王子スポーツ整形外科

主な疾患

膝蓋骨脱臼

1.膝蓋骨脱臼とは
比較的軽い衝撃にも関わらず、膝蓋骨(お皿の骨)がはずれてしまうという怪我です。
通常、女性に多く、膝蓋骨が外側にはずれます。
体育の授業やスポーツ活動中に、「膝を捻って、お皿が外れた」とクリニックを受診される方をよくみます。
「外れた」までいかなくても、不安定なために違和感を感じる状態を膝蓋骨不安定症とよびます。

正常な膝蓋骨の位置(レントゲン)



外側に偏位した膝蓋骨の位置(レントゲン)

2.脱臼すると、、、
多くの脱臼は自然に整復され、救急で整復を受けることはまれです。
ただし、整復されても、腫れがのこり、強い痛みがあります。
初期の炎症が収まったあとも、歩行時の不安感や痛みが継続することがあり、転びやすいという訴えも聞きます。
膝専門医の受診は必要と思われます。

3.なぜ外れてしまうのか?
交通事故などでもみられますが、比較的軽い衝撃でも外れてしまうケースをよくみます。
これは、もともと外れやすい方がいるからと考えられます。
・膝蓋骨が小さい
・膝蓋骨高位(位置異常)
・外反膝
・下腿外旋
・関節弛緩
・大腿四頭筋がよわい
・動的なマルアライメント(下肢全体の使い方)
などがリスクファクターといわれています。

4.検査は、、、
レントゲン、MRI検査、CT検査をおこないます。
膝蓋骨の現在の位置、細かな骨折の有無、軟骨損傷の有無、周囲の靭帯損傷について評価します。

5.放置すると、、、
慢性的な膝前方痛、不安定感があり、スポーツ活動に支障がでます。
膝蓋骨が不安定なまま経過すると、膝蓋骨と大腿骨の軟骨がすりへり、膝蓋大腿関節症に至ることもあります。

6.治療は、、、
「外れたかどうか、自分でもわからない」というような軽症の場合、または初回脱臼の場合、リハビリテーションを中心とした保存治療をおこないます。
先に述べたリスクファクターのうち、骨の形態は自分では変えられません。
筋力や下肢の使い方が治療のターゲットになります。
リハビリテーションでは、大腿四頭筋(内側広筋)トレーニングや、下腿外旋の改善をめざします。

7.重症な場合、、、
十分なリハビリテーションを行っても、複数回の脱臼に至る場合、手術をおすすめします。
手術には、幾つか種類があります。
・膝蓋骨外側リリース
・近位アライメント矯正
・遠位アライメント矯正
大きく分け、主に3つになります。
内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)が支持機構として60%の役割を担うと報告されており、近年MPFL再建術(近位アライメント矯正)が広く行われています。

MPFL (南江堂「膝を診る目」より)

我々も第一選択として、MPFL再建を行っています。
下腿外旋や膝外板が強い場合、遠位アライメント矯正(Elmslie-Trillat法)を追加することもあります。

8.MPFL再建について、、、
膝蓋骨に新しいシートベルトをつくる手術になります。
内側ハムストリング腱を用いる場合と、テープ状の人工靭帯を用いる場合があります。
膝に3−4箇所の小さなキズをつけ、膝蓋骨と大腿骨に移植腱を固定します。
術後3−4週で松葉杖がとれ、術後2−3ヶ月でジョギングできるようになります。
6ヶ月以降に、スポーツ復帰をめざします。


Internal brace法 (Arthrex.comより改変)



内側ハムストリングを用いたMPFL再建術
(南江堂「膝を診る目」より)

  • スタッフブログ
  • ドクターブログ
  • 10周年記念 グアム研修旅行
  • 八スポ図書館
  • スポーツクリニック部門
    スポーツクリニック
    (メイン・ディビジョン)
    TEL : 042-626-0308
    FAX : 042-626-0313

当院について

当院の治療

診療科・部門紹介

初診の方

Language

HOME > スポーツクリニック部門 > 主な疾患

© 2018 HACHIOJI SPORTS MEDICAL ASSOCIATES. All Rights Reserved.

pagetop